こんにちは!今回は、PHPの暗号化ライブラリ「libsodium」で使用される crypto_aead_aes256gcm_encrypt()
関数について詳しく解説します。この関数は、AES-256-GCM(Galois/Counter Mode)暗号化モードを使用してデータを暗号化するために使用されます。
crypto_aead_aes256gcm_encrypt() 関数とは?
crypto_aead_aes256gcm_encrypt()
関数は、AES-256-GCMモードでデータを暗号化し、認証付き暗号化を提供するための関数です。このモードは、高いセキュリティを提供し、データの機密性と完全性を保証します。
基本的な使い方
string crypto_aead_aes256gcm_encrypt ( string $plaintext , string $ad , string $nonce , string $key )
- $plaintext: 暗号化するプレーンテキストです。
- $ad: 認証データ(付加データ)です。これは、暗号文の一部ではありませんが、認証に使用されます。
- $nonce: 一意の値(ナンス)です。各暗号化操作で異なる値を使用する必要があります。
- $key: 暗号化と復号化に使用される256ビットの秘密鍵です。
例
- 基本的な暗号化の例
$plaintext = "秘密のメッセージ";
$ad = "認証データ";
$nonce = random_bytes(SODIUM_CRYPTO_AEAD_AES256GCM_NPUBBYTES); // ナンスを生成
$key = sodium_crypto_aead_aes256gcm_keygen(); // 秘密鍵を生成
$ciphertext = sodium_crypto_aead_aes256gcm_encrypt($plaintext, $ad, $nonce, $key);
echo "暗号化されたデータ: " . bin2hex($ciphertext);
この例では、プレーンテキストを指定された認証データ、ランダムに生成されたナンス、および秘密鍵を使用して暗号化しています。
- 暗号化と復号化の例
$plaintext = "秘密のメッセージ";
$ad = "認証データ";
$nonce = random_bytes(SODIUM_CRYPTO_AEAD_AES256GCM_NPUBBYTES);
$key = sodium_crypto_aead_aes256gcm_keygen();
// データを暗号化
$ciphertext = sodium_crypto_aead_aes256gcm_encrypt($plaintext, $ad, $nonce, $key);
echo "暗号化されたデータ: " . bin2hex($ciphertext);
// データを復号化
try {
$decrypted = sodium_crypto_aead_aes256gcm_decrypt($ciphertext, $ad, $nonce, $key);
echo "復号化されたメッセージ: " . $decrypted;
} catch (SodiumException $e) {
echo "復号化に失敗しました: " . $e->getMessage();
}
この例では、暗号化されたデータを再度復号化して、元のプレーンテキストを取得しています。
利用シーン
- データの保護: センシティブなデータを暗号化して保護する際に使用します。
- 安全な通信: ネットワークを介してデータを送信する際に、データの機密性と完全性を保証するために使用します。
注意点
- ナンスの管理: 各暗号化操作で異なるナンスを使用する必要があります。同じナンスを再利用すると、暗号の安全性が損なわれます。
- 認証データの一貫性: 暗号化時と復号化時に同じ認証データを使用する必要があります。認証データが一致しない場合、復号化に失敗します。
- 秘密鍵の管理: 秘密鍵は安全に保管し、不正アクセスを防止する必要があります。
まとめ
crypto_aead_aes256gcm_encrypt()
関数は、AES-256-GCM暗号化モードを使用してデータを安全に暗号化するための強力なツールです。この関数を使用することで、データの機密性と完全性を保ちながら、安全な通信を実現できます。
次回もお楽しみに!Happy coding!